反面教師、私は生まれてから何万回と聞いてきた言葉だ、特に親から。
親は、所謂落ちこぼれで、私たち子供には親のようになってほしくないと願っていた。
私自身、この言葉を親から言われても特に気にすることはなく、もう生活の一部になっていたくらいだ。
ちょうど昨日のことだ。
親が、いつものように、反面教師という言葉を使って私の弟に説教をしていた。
私はなんとも思わなかったが、弟がこのように反論した。
この言葉を聞いて、反面教師という言葉の見方が変わった。
反面教師という言葉は、凄いせこい言葉だ。
自分の過去の誤ち、自分が楽に流されただけの経験をあたかも反面教師という言葉で正当化している。
なんで自分にはできなかったことを強制するのかわからない。
反面教師という言葉は、その人物の過去のことを言うのであって、これからのことはその人自身で変えていけるはずだ。それを怠っていて私は反面教師なので何もしなくていいよ、という感じで開き直っているのなら、それは、反面教師でもなんでもなくただのアホだ。
親は下を向いていた。